名前
甲斐 俊充Toshimitsu Kai
G 2006年 グラフィックデザイン科卒業
株式会社朝日メディアブレーン / 映像クリエイター
取材:2019.07

街を歩いていて、ハッとする瞬間をキャッチ。
嘘偽りのない自分の反応が企画の種になる。

 普段から「おや?」と思う状況や感覚を大切にしています。先日も、レストランで子どもが食べ物をこぼすのを見て母親が慌てて手を伸ばしたら、自分のお皿のケチャップが服にベッタリついてしまうというシチュエーションに遭遇して…。これがCMだとどんな展開になるかとか、前後のストーリーだとか、想像が膨らんでいく。そういう時間が面白いですね。
 CM制作の仕事はお客様との打ち合わせから始まって企画提案、撮影、編集といろいろあるのですが、なかでも苦労が多いのが企画の段階。話を聞いただけでは いろいろな表現方法があるので、企画に練り上げるのは大変な作業です。その時に大切なのが、相手の話を理解する能力。聞くだけでは足りなくて、理解する。独自の解釈で作ったものより、相手の意向を汲み取ったものの方が評価に繋がりやすい。打ち合わせの時には、言葉のニュアンスやその場の空気といったものも読み取るように注意しています。
 シズデでは、第一に「働くことの意味」を教えていただきました。学校外の企業からの依頼や地域のイベントのために制作することも多くて、ただ勉強のために作るのとは違う緊張感がありました。仕事として取り組む意識や仕事への対価といったことを考えるようになり、それが今もって働く意識の根幹にある気がします。

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