2018年、一気に高まったSDGs推進への機運。
シズデのSDGsは、静岡市が本格的に動き出した頃から始まりました。2018年の初旬、静岡市と様々なコラボを行ってきたシズデに、SDGsの普及啓発に関する協力要請がありました。その頃はまだ教育へのSDGsの正式導入はしていなかったものの、その目標群はまさに、シズデが取り入れてきたことそのもの。静岡市への協力を受諾し、まずは教職員数名の推進チームを組んで検討を始めました。
2018年4月には、静岡市の企画課担当者をお招きしてSDGsを学ぶ講演会を開催しました。これをきっかけに、SDGsを意識した様々な活動が生まれていきます。
17色の大型ホイール写真スポットや静岡市観光親善大使森理世さん出演のプロモーション映像の制作、『SDGs推進TGCしずおか2019』ではフラワーウェルカムボード制作やファッションショーのフィッターなどに大勢の学生たちが参加しました。ゴミ減量課とのコラボ「海のスクラッチアート体験」では子供向けワークショップを開催するなど、学内におけるSDGs推進への機運は一気に高まりました。
普及啓発から、SDGsがベースにある教育へ。
SDGへの取り組みが実践されるようになりましたが、あくまで「普及啓発」が中心でした。そこで2019年度からは、教育とSDGsを結びつける具体的な活動へと歩みを進めていきました。2019年12月には専門学校では初の「SDGs宣言」を静岡市に提出し、デザイン的手法で問題解決へと導くこと的手法で問題解決へと導くことが出来る本校の強みを活かし、17の目標のうち、「教育」「まちづくり」「パートナーシップ」を柱に取り組むことを明確化しました。
SDGsのための学びではなく、全教育活動のベースにSDGsを置く方向へと転換を遂げたのです。7学科全ての授業から年間約40件の産官学連携・個人ごとの卒業制作作品までに一つの軸、全学的共通目標ができました。
SDGsによって、学校の中も変わり始めた。
SDGsをベースとした教育プログラムが始まってから、学内が変わっていきました。自然にゴミが減り、作品の素材を気にかけるようになりました。学生たちはジェンダーについても気軽に語るようになり、これまで以上に自主的に社会課題に向き合い活動するようになりました。コロナ禍では、出荷できないロスフラワーを集めイベント装花にするための企画をJA静岡経済連に自ら持ち込む学生が現れました。活動は途切れることなく、国勢調査バックのリサイクルワークショップや障がい者ファッションショーの支援、在日ブラジル人の子供達に向けた企画など、様々なものが日々動いています。
持続可能な社会を実現できる若い力を育てる専門学校へ。
産業界では社会貢献とビジネスを両立したSDGsが進められていますが、教育現場でも小学校からSDGs教育が始まり、若者の価値基準は大きく変わっていきます。シズデが目指しているのは、SDGsのハブ機関のひとつとなって学生と社会を継続して繋いでいく役割を担うことです。持続可能な社会を実現できる行動力ある若者たちを育成し、デザインの力でよりよい社会をつくっていきたいと考えています。